柴田ジュリィ

アラフィフ女のどってことない日常

最後の初恋

魂の退社 稲上えみ子

 

魂の退社

魂の退社

 

 

久しぶりすぎる投稿(๑˃̵ᴗ˂̵) 

ここ一年で生活に大きな変化があったものの、最近は本を読めるまでに落ち着いてきた。読み始めると、日に1冊ペースで読むため、何を読んだか忘れてしまわないように、ブログに残そうと思い再開。

 

まずは、稲垣えみ子著『魂の退社』

私も昨年会社を辞めたので、『そうそう!わかる〜』と共感できる部分が多く、素直におもいしろい作品だった。

 

内容を簡単にご紹介。

新聞記者だった著者。男社会の職場でキャリアを積むことの難しさに直面するも、キャリアにこだわらずとも生きていける方法を見出し、たくましくなっていく過程が笑える。ぱっと見、会社員に見えないアフロヘアの著者は、私と同じ中年女性。サラリーマンならではの苦悩や、バブル世代ならではのエピソードが、飾らない口調で小気味よく語られている。

  

人間生きていれば、誰にだって岐路に立たされる時だってある。そんな時こそ、正面にある選択肢だけでなく、180度視点を変えた選択肢に気付けるかどうかが、鍵になるのではないかと思う。

 

私の場合、老後を考えた時、東京で生活している姿を、どうしても想像できなかった。東京で暮らしていることに何年も違和感を覚えながら、日々の忙しさにかまけて深く考えないようにしていた。さすがに50歳も目の前にチラついてくるといい加減焦る。新天地で一から始めるには、48歳という年齢が、あまりにも遅すぎることぐらい、百も承知。故郷とは言え、20年も離れていて、しかも年老いた両親との同居なんて、不安でしかない。それでも、帰るなら今しかないと思った。はっきり言おう、私は負けたのだ。

 

負けの何が悪い?不安が怖くて何が悪い? 開き直りと言われようが(笑)、悩みに悩んで決めた結論だから、結果はどうあれ後悔はない。仕事で神経をすり減らし、孤独と戦いながら、だましだまし生きていたって、ちっとも楽しくない。決して長生きしたいわけではないが、そうそう死ねないのが世の常。どうせ生きるなら、健康的で質の高い人生を送りたいと思った。これが私の人生後半戦の決断だった。